美冷宮

ピクシブ、カクヨム、小説家になろうで活動している物書きの端くれのブログ

セルフ二次創作

「......なんだよ」

 

 満面の笑みを浮かべながら目の前に立つ男に、葛狗は聞いた。

 

「別に、ただ、Twitterで面白そうなハッシュタグ見つけたからさあ」

 

 そういって、男は身にまとっている和服の懐からスマートフォンを取り出し、画面を葛狗に向ける。そこには

「#TLが静かなのでにゃあと言ってみるちなみに見た人は絶対やる

 と表示されていた。

 

「......で?」

 

 葛狗は嫌な展開を予想しながら聞き返す。目の前に居る男は、ことあるごとに葛狗へおかしな行動をさせようとしてくるのだ。

 

「『見た人は絶対やる』って書いてあるでしょ? だから葛狗もにゃあって言わなきゃいけないの」

 

「断る」

 

 即答だ。

 しかし男は全くひるまない。

 

「駄目だよ。だってこのタグ見ちゃったんだもん」

 

「お前が見せたんだろう。というか、それならばお前が先にやるべきだろ」

 

「心配ご無用!」

 

 男は、暗がりから光の当たる場所に出てくる。

 すると、男の頭上にある猫耳と、臀部にある尻尾が露わになった。

 

「この変幻自在の鴉型触手生物様にかかれば、にゃあと鳴く和風猫耳ショタに変化するのなんて簡単なんだにゃあ」

 

 その身長は、葛狗より少し大きい程度に縮んでいる。

 

「こうしてみると、なんだかお前の兄貴になった気分だにゃあ」

 

 などと言いながら、男は葛狗の頭をなで始める。

 そんな事をされて完全にキレた表情の葛狗だが、何故か男を睨むだけだ。

 

「何をした」

 

 その発言から、どうやら体が動かせないらしい。

 

「ふふふ、鴉型触手生物に不可能はにゃいのにゃ」

 

 不適に笑いながら、男は葛狗の頭に当てていた手を放す。

 

 すると、ぴょこん、という効果音が似合う感じで、葛狗の頭に猫耳が立ち上がった。

 手で触ってそれを確かめると、葛狗は男を睨みつける。

 

「にゃあって言ってくれれば元に戻してあげるよ」

 

 飄々と言う男に、軽く舌打ちする葛狗。

 

「それと、無理やり言わせた感満載で言われるのもなんかいやだから......」

 

 男は懐の中から菓子の箱と、その中身を取り出した。

 

「馬林堂の店主に特別に作ってもらった超高級豆大福、これをご褒美にあげるよ」

 

 その瞬間、今まで拒否一色だった葛狗の表情が揺らいだ。猫耳もピクピクと動いている。

 

 葛藤は、二人の間に長い長い沈黙をもたらした。

 

 そして、葛狗は口を開く。

 

「にゃ......にゃあ」

 

 その声は、拗ねているような、それでいてまだ抵抗感のあるような、そんな感じで、とても小さい声だった。

 

「よくできましたー」

 

 そう言って、男は葛狗に豆大福を渡す。

 葛狗は、それを両手で受け取ると、無言で食べ始めた。顔はとても不機嫌だ。

 それを見て、男は葛狗の頭を一撫でする。

 

 猫耳は、まるで手品のように消えていた。

 

――

 

あとがき

 

 ネタならばこんなに早く筆が進むのか!

 ...というわけで、はい。一時間ちょっとで書き上げてしまいました。我ながら純度100パーセントのネタ短編であります。

 葛狗は、自作に登場するキャラですが、本編ではできない弄りをこうして二次創作的な感じでやってみたのであります。

(因みに、鴉型触手生物というのは私がTwitter上でつけてるキャラで、この短編は、あるお二人に捧げるつもりで書いてたりします)

 

 お目汚し失礼しました。

 ではでは~